大柴胡湯のメーカーごとの製品の違い
以前こちらの記事で肥満症に使われる漢方薬について、いくつかの種類をご紹介しました。
今回の記事ではダイエットに使われる市販の漢方薬のうち、大柴胡湯のメーカーごとの違いと特徴について記載します。
大柴胡湯の効果・効能と適用される体質について
まずは大柴胡湯を配合する小林製薬のビスラットゴールドEXの効能・効果は以下の通りです。
「体力が充実して、脇腹からみぞおちにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症:肥満症、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘・胃炎、神経症」
大柴胡湯は「気」のめぐりを改善し、代謝を上げる漢方薬です。
体力が充実していて、わりとがっしりしている、便秘気味の方で、ストレスで食欲が増える方に向いているようです。
個人差はあるので一概には言えませんが、ストレスでのドカ食いの体質が男性よりも女性の方が適用になりやすいイメージです。
大柴胡湯はお通じを改善する生薬を配合していますので、下痢気味の方には注意が必要です。
(前回紹介した防風通聖散よりは、お通じを改善する生薬の量が少ないです。)
大柴胡湯の特徴・体質が合うかどうかの選び方などについては以前の記事をご参照ください。
大柴胡湯のメーカー・ブランドの比較とおすすめ商品
ツムラやクラシエ、三和生薬、ジェーピーエス製薬、本草製薬など医療用医薬品・市販薬含め多くの漢方薬を作っているメーカーのほか、市販薬中心メーカーの小林製薬から販売されています。
CMでもなじみのある「コッコアポ」、「ビスラットシリーズ」、イオン・ウエルシアグループなどで扱いのある「ハピコムブランド」、漢方薬メーカーの製品を比較してみました。
漢方薬の成分の違いを見る際、まず注目すべき点は有効成分量です。
漢方薬の有効成分量は原料の重量で示される「原生薬量」と抽出した「エキス量」があります。
同じ製法でしたら同じ原料=同じエキス量になるのですが、各社製法が異なるためエキス量の比較が難しいです。
実際は製法によっても異なるので正確な比較ではないのですが、メーカーをまたいでの比較の場合、原生薬量で比較するほうが実情に合っているかと私は考えています。
市販薬の場合、原生薬量が医療用と異なる場合が多く、医療用と同じ最大量を配合しているものは「満量処方」と記載されているものが多いです。
防風通聖散は市販薬でも満量処方の製品が複数種類ありましたが、大柴胡湯の市販薬には満量処方の製品はありません。
(この辺りはどれだけ認知度があるかにも影響しているのかもしれません。)
私が調べた限り市販薬でもっとも有効成分量が多いものは三和生薬の大柴胡湯Aエキス細粒で医療用の満量のものと比較して70%の原生薬量です。
より効き目を実感したい方は、三和生薬の大柴胡湯Aエキス細粒がおすすめです。
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Amazonでは取り扱いがないようですが、ほかのサイトでは少量パッケージもありますし、イオン薬局では小分け販売もしている漢方薬になります。
続いてビスラットゴールドEXが医療用の60%の原生薬量です。その他の製品はすべて50%となっています。
ビスラットゴールドEXは、有効成分量が2番目に多いにも関わらず、服用回数が2回で良いことがメリットになります。
ビスラットゴールドEX (広告)
服用回数が2回で良いのは、ビスラットゴールドとツムラ大柴胡湯エキス顆粒です。
お昼の服用が難しく、まずは少なめの有効成分量から試したい方は、いずれかを選ぶのがおすすめです。
(ツムラは日数が少ないものになるので1日あたりにすれば割高になっています。)
代謝を上げて、脂肪を落とし、太りにくい体質をつくっていく目的を考えると、ある程度長い期間の服用が必要になるため1日あたりの価格も重要です。
本草大柴胡湯エキス錠Hが最安で、1日当たりが100円以下となっています。
本草大柴胡湯エキス錠H (広告)
ハピコムブランドは安いイメージがあって比較してみたのですが、今回比較した中では1日当たりの価格が若干高めでした。
大柴胡湯を服用する際の注意点
漢方薬も医薬品ですので用法用量を必ず守って服用しましょう。
また、漢方薬は体質に合ったものを服用することが大切です。
体質に合わない漢方薬を服用すると効果が出づらい場合や、ひどいときには副作用が出ることもあります。
特に大柴胡湯は下痢や気持ち悪さなど、消化器系の副作用に注意が必要です。
服用中にこれらの症状を感じる場合には、薬剤師や登録販売者など専門家に相談してください。
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