花粉症の飲み薬・点鼻薬・目薬の併用と使い分け

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花粉症の市販薬は種類がたくさんある

これまでの記事で、花粉症の飲み薬・点鼻薬・目薬の選び方とおすすめを紹介しました。
ただ、それぞれのおすすめは理解できるけれど、自分の症状はどの形の薬を選べばいいのか悩んでいる方もいらっしゃると思います。

今回の記事では、「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版」を参考に、花粉症の薬の併用と使い分けをまとめます。

花粉症の飲み薬・点鼻薬・目薬は併用できる

花粉症の症状を和らげる飲み薬・点鼻薬・目薬は併用可能です。
ただし、症状に合わせて適切に選択することが大切です。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりには、飲み薬と点鼻薬を組み合わせて使います。
目のかゆみや涙、違和感などの目の症状には、合わせて目薬を使いましょう。

以下に詳しい使い分けや組み合わせ方を説明します。

花粉症の症状による使い分け

花粉症の3大鼻症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりです。
症状の出方によって、「くしゃみ・鼻水が辛い」もしくは、「鼻づまりが辛い(くしゃみ・鼻水もある)」に分けて考えます。

目の症状は特に分類はなく、症状がある方は目薬を追加して使いましょう。

症状が出始める前

花粉症の症状が出始める前に、治療を開始するのがおすすめです。
いつからか判断が難しい場合は花粉の飛散予測の日から服用するのが良いようです。

症状がひどくなる前に服用を始めることで、花粉の飛んでいる時期を通して症状が軽くすみます。

使用する薬の候補としては抗ヒスタミン剤の飲み薬になるでしょう。

くしゃみ・鼻水の症状が出始めたら

抗ヒスタミン成分の飲み薬が基本です。
飲み薬を使っても症状がなくならない場合は飲み薬に合わせてステロイドの点鼻薬も一緒に使いましょう。

鼻づまりの症状が出始めたら

症状が軽いときは抗ヒスタミン成分の飲み薬を服用し必要であればステロイドの点鼻薬を使うのが基本になります。
鼻詰まりの症状がそれでも続く場合、血管収縮成分の入った点鼻薬を追加で使います。

血管収縮成分は継続で使用すると効き目が出にくくなったり、鼻づまりが悪化したりするので1週間程度の使用に留めます。

花粉症を和らげる抗ヒスタミン成分の飲み薬のおすすめ

抗ヒスタミン剤の分類と特徴について

花粉症の飲み薬は、アレルギーの原因となる「ヒスタミン」の働きを抑え、症状を緩和します。

抗ヒスタミン剤は大きく第一世代と第二世代に分けられます。
第一世代の抗ヒスタミン剤は、飲むと早く効き、効き目も強い反面、眠気や口渇など副作用が多いです。
第二世代は効き目が第一世代よりはマイルドですが、その代わり副作用が出にくいです。

効果が高くなる成分を開発するというより、眠気などの副作用が少ない方向に成分が開発されていった結果、新しい薬の方が必ずしも効果が高いわけではないというのが抗ヒスタミン剤の特長です。

第二世代の抗ヒスタミン剤は眠気などの副作用がほとんどないものもあり、第一世代より明らかに使いやすいです。

現在病院から出る薬は第二世代の抗ヒスタミン剤がメインで使われています。
市販薬では第一世代・第二世代のいずれもが販売されていますが、上述したように眠気などの副作用が少なく医療用でもよく使われる第二世代の方がおすすめです。

市販でよく使われる第二世代の抗ヒスタミン剤は「アレグラFX」と「アレジオン20」があります。
またこれらの薬の他、同じ成分を含むコスパの良い薬もあります。

品名 アレグラFX アレルビ アレジオン20 エピナスチン20 RX
商品画像 アレグラFX アレルビ アレジオン20 エピナスチン20RX
メーカー 久光製薬 皇漢堂製薬 エスエス製薬 シオノケミカル
用法(15歳以上) 1日2回 朝・夕 1日2回 朝・夕 1日1回 寝る前 1日1回 寝る前
Amazon価格
2022/3/21時点
(最大包装1個で比較)
56錠 2,352円 84錠 1,630円 48錠 4,155円 40錠 1,980円
1日あたりの価格 84円 約38.8円 約86.6円 約49.5円
特長 ・眠くなりにくい ・アレグラFXと同じ成分
・価格が最も安い
・1日1回でOK ・アレジオン20と同じ成分
・コスパ良好

眠気が出にくく、コスパの良い「アレルビ」

アレグラFXと同じ「フェキソフェナジン塩酸塩」を医療用のアレグラと同量配合しています。
フェキソフェナジンは、第二世代の中でも、特に眠気が出にくい成分の1つです。

抗ヒスタミン剤、眠気を感じなくても「集中力や判断力の低下」のような気づきにくい能力ダウン(インペアード・パフォーマンス)も問題となります。
フェキソフェナジンはインペアード・パフォーマンスも起こしにくく、受験生や社会人など高い集中力を維持したい方にとてもおすすめです。

また、1日当たりの価格が安いのも大きなメリットです。

アレルビ (広告)

1日1回しか飲めない場合は「エピナスチン20 RX」

アレジオン20と同じ「エピナスチン塩酸塩」を同量配合しています。
1日2回服用できる方は眠気や価格の点からアレルビがおすすめですが、2回の服用が難しい方はエピナスチン20RXが良いと思います。

眠気の副作用は個人差がありますので、服用後の車の運転はしないよう注意が必要です。

エピナスチン20 RX (広告)

ステロイド配合の点鼻薬のおすすめ

ステロイドの点鼻薬の特長と使い方

くしゃみ・鼻水・鼻づまりの軽い症状から、重い症状まで幅広く効果を発揮するのがステロイド配合の点鼻薬です。
他の成分を含めた点鼻薬の選び方は、以前の記事で紹介しましたのでご覧ください。

ナザールαAR0.1%

ステロイド成分の「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」を配合しています。
1日2回で効果が持続し、眠気もでません。

ナザールαAR0.1 (広告)

フルナーゼ点鼻

ステロイド成分の「フルチカゾンプロピオン酸エステル」を配合しています。

2019年から市販薬でも使えるようになった成分です。
2022年3月時点では要指導医薬品のため、薬剤師から直接対面で説明を受ける必要があり、ネットでの購入はできません。

フルナーゼ

花粉症に効果のある目薬のおすすめ

目薬は症状がある場合に追加すれば良い

目の症状のみが辛い方は、目薬だけ使うのも良いでしょう。
鼻の症状があり、飲み薬や点鼻薬を使っている方も、プラスで使えます。

花粉症の症状を和らげる目薬の詳しい紹介はこちらの記事をご覧ください。
今回は代表的な2種類を紹介します。

有効成分の種類が多い「マイティアアルピタットEXα7」

抗ヒスタミン成分に加えて、抗アレルギー成分、抗炎症成分、角膜保護成分、角膜修復成分など7つの有効成分を配合しています。
使いすぎが心配な血管収縮成分は入っていないので、比較的長期に安心して使えます。

とにかく高い効き目が欲しい方は、こちらがおすすめです。

マイティアアルピタットEXα7 (広告)

コスパの高い「マリンアイALG」

抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、抗炎症成分を配合しています。
抗ヒスタミン成分の濃度がほかの目薬に比べて少ないですが、他の2成分は同量入っており、効果は期待できます。

価格もかなり安く、初めて花粉症の目薬を使う方はまずはこちらを試すのが良いでしょう。

マリンアイALG (広告)

薬剤師からの一言

飲み薬・点鼻薬・目薬、どの形の薬も用法・用量を守って、正しく使いましょう。

また、かゆみや発疹、息苦しさなどさまざまな副作用が起こる可能性があります。
少しでも違和感がある場合は、使い続けずに薬剤師や医薬品登録販売者に相談してください。

花粉症の薬は、花粉が飛び始める前から使い始め、シーズン中は続けることが大切なポイントです。
抗ヒスタミン成分の飲み薬で眠気が出にくく、コストパフォーマンスに優れた「アレルビ」の服用が多くの花粉症の方にとって最善の選択となるでしょう。

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