抗生物質の入った塗り薬の種類と使い分けについて

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抗生物質の入った市販薬はいくつか種類がある

市販薬では抗生物質の飲み薬は存在しませんが、塗り薬や目薬などの外用剤については抗生物質入りのものがいくつか販売されています。

抗生物質の塗り薬はステロイドや抗ヒスタミン剤などとの配合剤として販売されていたり、抗生物質のみのものもあったり、また抗生物質の種類も多くあるのでどれを使ってよいか迷う方も多いと思います。

今回は抗生物質の塗り薬の選び方と使い方、使用時の注意点についてご紹介します。

抗生物質を含む塗り薬の種類

抗生物質を含む塗り薬としてはおおよそ下記の2つの分類があります。

①抗生物質単独のもの

抗生物質のみ配合されている塗り薬は主におでき、とびひ、などの細菌の感染により引き起こされる皮膚症状に使用されます。
傷口に繁殖した細菌を抑える効果があるので、ケガの化膿を治療したり予防したりするのにも使用されます。

最近では2種類の抗生物質を含む塗り薬が一般的なようで、中には真菌というカビにも効果的な成分が配合されているものもあります。

②抗生物質とステロイドの配合剤

ステロイドはかゆみ・炎症を抑える優れた薬ですが、最近の感染に抵抗する体の免疫も抑えてしまいます。

そのため、細菌が増殖していると思われる化膿部分やじゅくじゅくした傷にはステロイドは単独では使用しない方が良い場合があります。
そういった細菌感染と炎症が同時に起こっている場合には抗生物質とステロイドの配合剤を使用します。

例えば虫刺されを掻き壊した部分などに使用したり、皮膚湿疹で痒みがひどくて掻いて傷になった部分などに効果を発揮します。
逆に、炎症(かゆみ・赤み)などの症状と傷やじゅくじゅくが同時に起こっていない場合は抗生物質とステロイドの配合剤を使用する必要はありません。

よく使用される抗生物質が配合されている塗り薬

①抗生物質単独のもの

テラマイシン軟膏aやドルマイシン軟膏がよく使われていると思います。

どちらを使用すると効果が高いかは増殖している菌の種類によって変わり、どの菌が増殖しているかは検査をしないとわからないため、私は薬局でお客様にご案内するのは価格が安いドルマイシン軟膏にしていました。

ただし、どちらの薬もそこまで強力な抗生物質ではないので、使用していて効果が出ないようなら病院で診察を受けるようにしてください。

テラマイシン軟膏 (広告)

ドルマイシン軟膏 (広告)

②抗生物質とステロイドの配合剤

テラ・コートリル軟膏aやベドネベートN軟膏AS、フルコートfがよく使われている薬です。
抗生物質よりも配合されているステロイドの方が与える影響が大きいので、私はステロイドの種類でどの薬を使うかを決めます。

  • テラコートリル軟膏a → 弱いステロイド
  • ベドネベートN軟膏AS・フルコートf → 比較的強いステロイド
  • ステロイドは基本的に強い薬を短期間使用する方が弱い薬を長期間使用するよりも良いとされています。

    ただ、腕や足の虫刺されの書き壊しなど小さい範囲なら強いステロイドでかまいませんが、例えば顔や首筋に使う場合、小さいお子様に使用する場合などは弱いステロイドの方が良い場合もあります。

    使い分けについては医師・薬剤師に判断してもらった方が安心ですが、市販薬の中ではそこまで副作用が強く出るほど強力ではないので自身で判断しても良いと思います。

    大まかな判断基準として下記の場合は弱いステロイドを使用すると良いと思います。

  • ①小さいお子様に使用する
  • ②大人でも顔や首筋に使用する
  • 抗生物質もステロイドもムダに長い期間使用するのは好ましくないので、1週間から長くても2週間くらい使用していても症状が良くならなければ中断して病院で診察を受けるようにしましょう。

    診察を受ける際には市販で使っていた薬を持参して相談するようにしてください。

    テラコートリル軟膏a (広告)

    ベトネベートN軟膏AS (広告)

    フルコートf (広告)

    抗生物質の塗り薬使用時の注意点

    ①症状が治まったら使用を止める

    肌や人間の体には常在菌という菌がいて、そのおかげで体は正常な働きを保つことができます。

    雑菌が繁殖している場合、この常在菌のバランスが崩れているので抗生物質を使用して増えすぎた菌を減らすことは良いのですが、長期間使用しすぎると常在菌にも影響が出てきます。

    症状が治まったら使用するのを止めましょう。

    ②中途半端に使用しない

    抗生物質は中途半端に使用することで細菌が耐性を獲得し、抗生物質が効きにくくなります。
    ①の症状が治まったら使用を中止するとのバランスのとり方が難しいのですが、症状が治まるまではきちんと継続して使用しましょう。

    目安に困ったら症状がまったくなくなったあと、1~2日くらい使用していただければ良いと思います。

    ③同じシリーズの違う薬と混ぜて使用しない

    風邪薬などでも言えることですが、市販薬の場合、同じブランド名で全然別の医薬品ということはよくあります。

    今回紹介した薬だと、「ベドネベートN軟膏AS」は同じベドネベートの中で「ベドネベートクリームS」という抗生物質が入っていないクリームがあります。

    また「フルコートf」は同じ会社から効果がマイルドな「コートf」という医薬品が販売されています。
    こちらはいくつか種類がありますが、いずれも抗生物質は配合されていなくて、少し小さいお子様に使用していただくのをコンセプトにしているようです。

    楽天などの個人のショップが販売しているネット通販ではよく商品名を間違えて記載されているので、検索結果で表示されても信用できない場合があります。

    不明点ある場合は薬局やドラッグストアで直接購入するか、質問して確認してから購入しましょう。

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