花粉症で目の症状が辛い方には目薬がおすすめ
花粉症の薬といえば飲み薬が一般的ですが、薬を飲んでも目の症状がつらい方は多いと思います。
そんな時は、目薬を併用するのがおすすめです。
しかし市販されている目薬は種類が多く、成分を見比べても違いがよく分からなくて選ぶのが難しいと感じる方が多いと思います。
そこで、今回の記事では花粉症によるかゆみや充血、違和感などの症状に効果的な、市販の目薬の選び方とおすすめを紹介します。
花粉症の目薬に含まれる有効成分の説明
成分を見るうえで特に重要なのが、「抗ヒスタミン成分・抗アレルギー成分・抗炎症成分」の3つです。
これら3つの成分とその他のメジャーな含有成分について解説します。
抗ヒスタミン成分
今出ているつらい症状にスピーディーに効果を発揮します。
特に、ひどいかゆみに有効です。
花粉に対するアレルギー症状を起こしている物質「ヒスタミン」を直接ブロックする働きです。
市販されている成分は「クロルフェニラミンマレイン酸塩」や「ケトチフェンフマル酸塩」などがあります。
抗アレルギー成分
アレルギーの元となるケミカルメディエーター(ヒスタミンなど)の遊離を抑えます。
速効性はそこまでありませんが、持続性に優れている成分です。
抗ヒスタミンと併用することで、抗ヒスタミン成分が今の症状を和らげ、抗アレルギー成分がこれからの症状が出にくいようにはたらきかけてくれます。
抗ヒスタミン剤と組み合わせて使用されることが多い成分になります。
市販されている成分は「クロモグリク酸ナトリウム」や「トラニラスト」、「アシタザノラスト」などがあります。
抗炎症成分
目をこすることで起きた炎症を抑えます。
炎症があると、かゆみの悪化につながります。
上で紹介した抗ヒスタミン成分・抗アレルギー成分と一緒に配合されているものを選ぶのが良いでしょう。
市販されている成分は「プラノプロフェン」や「グリチルリチン酸ジカリウム」などがあります。
その他の成分
角膜保護成分の「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」、角膜修復補助成分の「タウリン」、「L-アスパラギン酸カリウム」、「酢酸d-α-トコフェロール」、目に栄養を届けるためにビタミンを配合している目薬もあります。
ただ、これらの成分は花粉症の目薬に必須ではなく補助的な役割と考えていいと個人的には考えています。
注意したい成分
血管収縮成分
血管収縮成分は、すばやく目の充血を落ち着かせてくれます。
しかし涙の分泌が低下してドライアイになりやすくなったり、反動で充血が悪化したりします。
どうしても今すぐに充血を抑えたいとき以外は、なるべく配合していないものを選択するのが良いでしょう。
市販されている成分は「塩酸テトラヒドロゾリン」や「ナファゾリン塩酸塩」などがあります。
防腐剤
ほとんどの目薬に防腐剤が入っています。
防腐剤に強い害があるわけではありませんが、防腐剤が入っている目薬は、ソフトコンタクトレンズ使用時は使用できませんので注意してください。
ソフトコンタクトレンズは防腐剤を吸着して、角膜障害を起こす可能性があります。
また健常な目では問題ない防腐剤成分であっても炎症が起こっている場合に有害になると考えられることもあるようです。
そのため医者によっても見解が分かれますが、防腐剤を避けるように指示する先生もいらっしゃいます。
市販されている成分は「ベンザルコニウム塩化物」などです。
また、ソフトコンタクトレンズ装着中でも使える市販薬もあります。
おすすめの花粉症に効く市販目薬の比較表
市販されている花粉症に効く目薬で有名なのは、千寿製薬の「マイティアアルピタット」シリーズと、ロート製薬の「ロートアルガード」シリーズです。
どちらのシリーズも名称が似通っていて、成分の違いが分かりにくいです。
また、清涼感のあり・なしで名前が変わっています。
清涼感のあり・なしは完全に個人の好みで選択していただいて大丈夫だと思いますが、不快感がまぎれるためか花粉症の目薬は清涼感が強いものを好まれることが多いです。
ただ私は清涼感が苦手なので、目薬を使うときはほぼ清涼感が少ないものを選択するようにしています。
慣れていない方は清涼感が少ないものを選択していただく方が良いかもしれません。
花粉症の市販されている目薬のおすすめ
とにかく効き目の良い目薬が良い方は「マイティアアルピタット」の語尾が「7」
抗ヒスタミン成分・抗アレルギー成分・抗炎症成分が市販薬における最大濃度配合されていて、その他の補助成分もさまざま入っているのが、千寿製薬の「マイティアアルピタット」シリーズの語尾に「7」のついているものです。
「7」は有効成分が7種類入っていることを現しています。とにかく効き目が良くて、角膜の保護や修復にも力を入れたい方にはおすすめです。
ただし、価格が高いのが気になります。
マイティアアルピタットExα7 (広告)
上で説明したように、花粉症の症状を抑えるのには「抗ヒスタミン成分・抗アレルギー成分・抗炎症成分」が重要です。
語尾に「7」のついていない「マイティアアルピタットEXα」は、これら3つの成分を、語尾に「7」のつくマイティアアルピタットと同じ量配合しています。
コストを考えると、こちらを選択するのも良いでしょう。
マイティアアルピタットEXα (広告)
唯一抗アレルギー成分「トラニラスト」を配合している「ロートアルガードクリニカル」
ロート製薬の「ロートアルガードクリニカル」は抗アレルギー成分「トラニラスト」を配合しています。
他の目薬が配合している「クロモグリク酸ナトリウム」との効果の違いは明確には分かりません。
例えば昨年の花粉シーズンに「クロモグリク酸ナトリウム」配合の目薬を使ったが、効果がイマイチだったという方は試してみても良いと思います。
ただこちらも価格が高いのがネックなので、個人的には初めて目薬を試される方はもう少しコスパ良いものの方が良い気がします。
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コスパの良い「マリンアイALG」
価格が安く、かつ有効成分がしっかり入っているコスパの良い目薬としては佐賀製薬の「マリンアイALG」がおすすめです。
抗ヒスタミン成分・抗アレルギー成分・抗炎症成分の3種の有効成分が入っています。
抗ヒスタミン成分の「クロルフェニラミンマレイン酸塩」の濃度は他の目薬の半分ですが、初めて目薬を使うけど何を使ったらよいかわからないという方は試してみると良いと思います。
マリンアイALG (広告)
ちなみにマツキヨのオリジナル商品で同じ名前の商品が別パッケージで販売されています。
こちらは有効成分は同じですが、値段が高いです。
また、Amazonのオリジナル商品でマリンアイALというのが販売されていますが、こちらはマリンアイALGと比較して有効成分が一つ少ないものとなり、値段はマリンアイALGと変わりないです。
コスパという意味では通常のマリンアイALGが良さそうです。
コンタクト装着中に使うなら「スマイルコンタクトAL-W」
防腐剤を配合していないので、ソフトコンタクトレンズの上から点眼が可能です。(カラーコンタクトは除く。)
他のメーカーからもソフトコンタクトレンズ装着中にも使える目薬は販売されていますが、有効成分の配合や価格を考えると「スマイルコンタクトAL-W」がおすすめです。
開封後はなるべく早く(1~2か月を目安に)使用するよう注意があります。
スマイルコンタクトAL-W (広告)
薬剤師からの注意点
点眼前には手を洗い、点眼時には目薬の先がまぶたやまつげに触れないよう注意しましょう。
開封後の使用期限の目安は、目薬によって異なります。
必ず説明書を読んで、期限を守って安全に使用してください。
また使用前に濁りや、浮遊物がないか確認するようにしましょう。
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