ベンザブロックプレミアムの発売について
武田薬品の市販薬で有名な風邪薬のラインナップのベンザブロックの中で新しいシリーズとしてベンザブロックプレミアムが発売されました。
今回はこれまでのベンザブロックのシリーズとの比較についてご紹介します。
ベンザブロックの特徴とリニューアルについて
ベンザブロックは武田薬品が発売する風邪薬のブランドで、総合感冒薬の中でも症状に合わせて使い分けるのを早い段階から売りにしていました。
(初めてだったのかも?)
有名なタレントをCMに使っていて「あなたの風邪に狙いを決めて~~」のキャッチコピーをご存知の方も多い認知度の高い商品です。
シリーズとして色々な種類の商品を用意していて、総合感冒薬だけ見ても、のどの症状に使うL、鼻がひどい風邪にフォーカスしたS、熱・寒気に効果が高いIPという分類で、それぞれ細長い錠剤のカプレットタイプと小粒の錠剤タイプがあります。
また、2012年-2013年ごろだと思いますが成分を追加したベンザブロックプラスシリーズも発売されて、同じベンザブロックの商品でも12種類の商品がありました。
今回はベンザブロックプラスが生産終了し、成分が豊富で効果が高いベンザブロックプレミアムとして販売開始されたようです。
それぞれのベンザブロックの特徴と違いについて
のどの炎症・発熱に効果が高いベンザブロックL
ベンザブロックLシリーズの成分の違いは下記の通りです。
錠剤タイプは粒が小さい分飲む錠数が多いという違いはありますが、有効成分は同じ種類・量になりますので割愛します。
今回発売されたベンザブロックLプレミアムでは①解熱鎮痛抗炎症作用のイブプロフェンが増量になり、②喉の炎症を抑えるのによく使われるトラネキサム酸が配合されたことによりのどの痛み、イガイガに対しての成分が豊富になりました。
今回のリニューアルで一番大きい変更があったのはこのベンザブロックLシリーズだと思います。
他のメーカーから販売されているのどによく効く風邪薬と配合が良く似ていて、対抗して成分を豊富にした印象です。
鼻の症状に高い効果を示すベンザブロックS
ベンザブロックSシリーズの成分の違いを下記の表に表しています。
15歳以上の方の場合、錠剤タイプは粒が小さい分飲む錠数が多いという違いはありますが、有効成分は同じ種類・量になります。
12歳以上14歳未満の方の場合飲む量が異なるので、粒の小さい錠剤タイプの方が成分の量が多いという特徴があります。
(12歳以上14歳未満の方の場合、カプレットタイプは錠剤タイプの75%の有効成分の含有量になります。)
他の製品と同様にカプレットタイプのみ記載します。
今回のリニューアルで去痰成分(たんの切れをよくする成分)であるグアイフィネシンが追加になっています。
鼻に効果のある薬で、鼻の成分は変更なくて痰の切れだけ成分が追加になっているので、正直意図が良くわからないところです。
鼻水を止める成分は以前から効果が高いものなので、もしかしたら今のままで十分と判断されたのかもしれません。
ベンザブロックSプラスが発売された時も通常のベンザブロックSと比較してビタミンB2が追加されただけであまり大きな違いがないままでした。
ベンザブロックのLと比べて「通常のもの」と「プラス」・「プレミアム」の効果の違いが少ないです。
熱・寒気に効果が高いベンザブロックIP
ベンザブロックL・Sと比べて使われる場面が非常に少なく、影の薄いIPシリーズですが、こちらも成分の違いを下記にまとめてみました。
錠剤タイプは粒が小さい分飲む錠数が多いという違いはありますが、有効成分は同じ種類・量になりますので割愛します。
こちらも熱・寒気の薬ですが、リニューアルの方向として喉の炎症を抑えるグリチルリチン酸が入っているという不思議な改良です。
Lにこのグリチルリチン酸が配合されていれば喉から来る風邪に一番おすすめできる風邪薬になっていたのですが、色々制約があるのかもしれません。
熱・寒気に対してという売りですが、他の薬と差別化が難しい印象です。
ベンザブロックは他の総合感冒薬と比較しておすすめか?
鼻風邪にはベンザブロックS、ベンザブロックSプレミアムは値段次第
今回のリニューアルの前から、ベンザブロックSは元々鼻の症状によく効く成分が配合されていて、鼻の風邪には最もおすすめの薬の一つです。
(こちらのページ参照)
新しく発売されたベンザブロックSプレミアムはベンザブロックSに痰の切れが良くなる成分1種類が追加されているだけなので、値段次第のところで
はありますが、私は痰のつまりがあまりない方には以前からあるベンザブロックSをおすすめします。
ベンザブロックS (広告)
のど風邪にはベンザブロックLプレミアムは選択肢の1つとしておすすめ
のどの症状にフォーカスした総合感冒薬は豊富にあってかなり激戦なのですが、これまでのベンザブロックLは配合成分が古く、あまりおすすめではありませんでした。
今回新たに発売されたベンザブロックLプレミアムは他ののどの症状を抑えるのによく使われる総合感冒薬と比較して遜色ない成分が配合されるようになりましたので、選択肢の一つとなりました。
ベンザブロックLプレミアム (広告)
比較する他の候補としてはこちらのページで紹介しているコーワのコルゲンコーワIBTXαになると思います。
コルゲンコーワIB錠TXα (広告)
コルゲンコーワIBTXαは5日分1,477円ですので1日あたり295.4円となり(2020/11/11Amazon調べ)、ベンザブロックよりもかなり価格が安いです。
のどの風邪におすすめの風邪薬についてはまた別の記事で詳しくご紹介します。
熱・寒気の薬は選択肢が多く、ベンザブロックIPやベンザブロックIPプレミアムはおすすめしにくい
熱を下げる成分はのどの炎症を抑える成分と共通ということもあり、ベンザブロックLとベンザブロックIPは今回リニューアルされたプレミアムでも配合が比較的類似していて、かつベンザブロックLやLプレミアムの方が有効成分の種類が多く配合されています。
そうするとベンザブロックLプレミアムの方が幅広い用途に使えることになるので、あまりベンザブロックのIPをおすすめする場面は多くないです。
また、寒気を感じる場合、これから熱が出てくるケースや非常に高熱が出ているケースが想定されますが、これから熱が出る場合は葛根湯・麻黄湯などの漢方薬が比較的よく使われます。
ちょうどこれからの季節だと高熱が出ている場合インフルエンザが疑われ、インフルエンザの場合はイブプロフェン配合の風邪薬は使わない方が良いとされていることもあるのでさらにおすすめしにくいです。
まとめると、熱寒気の症状を抑える風邪薬は選択肢が多く、かつインフルエンザなどで使えない場合もあるのでベンザブロックIP・ベンザブロックIPプレミアムは使いにくいと思います。
風邪薬を服用時の注意点
風邪薬の中に含まれる成分は実は市販薬の中で最も副作用の頻度が高いものになります。
解熱鎮痛抗炎症成分は胃腸に負担をかけて調子を悪くしたり、まれに湿疹を起こすことが知られています。
その他鼻水を止める成分は眠気・ふらつき・口の渇きなどを引き起こします。
色々な成分が含まれている分1つの薬で便利に使える反面、副作用に考慮する必要があります。
症状がピンポイントでのどの痛みだけ、鼻水だけと言う場合には総合感冒薬ではなく今ある症状に対してのみの成分が含まれている薬を使った方が良いので、自己判断だけでなくできる限り専門家の話を聞いて薬を選ぶようにしましょう。
また、風邪薬は症状を抑える成分が配合されているだけで、風邪自体を治すものではありません。
風邪を治すのは人間の体に備わっている治癒力です
風邪の時はしっかり栄養と休息をとり、体調を整えるようにしましょう。
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