目の乾きに効果のある目薬の新商品

医療用医薬品のヒアレインと同じ有効成分の市販薬が発売

最近、眼科医が最もよく処方している目薬の1つであるヒアレインと同じ有効成分を含む市販薬ヒアレインSが発売されました。
今回はこのヒアレインSについて特長と効果、使用上の注意についてご紹介します。

医療用医薬品のヒアレイン・市販薬として発売されたヒアレインSはいずれも有効成分ヒアルロン酸ナトリウムを配合する目薬です。

ヒアレインSは医療用医薬品であるヒアレイン点眼液0.1%と同じくヒアルロン酸ナトリウムを0.1%配合しています。
目の乾燥をやわらげ、疲れ・かすみを改善する効果のある目薬となります。

医療用医薬品ヒアレイン点眼液0.1%市販薬で発売されたヒアレインSとはヒアルロン酸ナトリウムを同量含む目薬ですが、効能効果の記載に大きな違いがあります。

医薬品の添付文書での効能効果は下記の通りとなっております。

○ヒアレイン点眼液0.1%（医療用医薬品）
下記疾患に伴う角結膜上皮障害
・シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼球乾燥症候群（ドライアイ）等の内因性疾患
・術後、薬剤性、外傷、コンタクトレンズ装用等による外因性疾患

○ヒアレインS（市販薬）
目の次の症状の緩和：乾き、異物感（コロコロ・チクチクする感じ）、疲れ、かすみ、ソフトコンタクトレンズまたはハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感

医療用医薬品の方は難しい記載になっていてなかなか見慣れていないと意味が分からないと思います。

ものすごく簡単に要約すると、医療用医薬品のヒアレイン点眼液0.1%は、何か目の乾燥について原因となる病気を持っている人の治療に使う薬ということで、一方の市販薬のヒアレインSは目の乾燥などの自覚症状について使う目薬として定められているということです。

ヒアレイン点眼液（医療用）の添付文書の効能にドライアイの記載がありますが、ドライアイも眼科医による診断で判定される病気の一つです。
私は眼科医ではないので詳細は分からないですが、確か涙の分泌量の測定と自覚症状の有無、目の表面の炎症などが関係していたと思います。

よく目の乾燥についてドライアイだと世間話で出てきますが、この表現は誤っていて目の乾燥イコールドライアイではありません。

目の乾燥を訴える方の中にはドライアイの診断基準に該当する人もいれば、目の乾燥を感じているだけで、その他のドライアイの診断基準に満たない方もいます。

市販薬のヒアレインSがどんな人におすすめかと言うと、目の乾燥の症状がある程度の期間長く続いていて、さらに目の乾燥に付随して充血・疲れ・ゴロゴロ感など違和感を感じている方になります。

カラーコンタクト以外のコンタクトレンズなら装着しているときにも点眼できるのが特長で、コンタクト装着時の保湿にも有効です。

勉強が忙しくて目を酷使する学生の方、仕事が事務職やエンジニア・クリエーターなどでPCをよく見る方、その他スマホ・タブレットなどを見る時間が長く、目の疲れが気になる方など現代社会においてはかなり多くの方におすすめになります。

ヒアレインSは医療用成分が初めて市販されたものであるため、市販薬の中で最も制約の多い「要指導医薬品」に分類されています。

要指導医薬品は薬剤師が対面でお客様から症状を聞き取り、販売する医薬品となります。
薬剤師のいないドラッグストアやインターネットでは購入できませんのでご注意ください。

調剤室の併設されているドラッグストアなどは営業時間も長い場合が多いので購入しやすいと思います。

ヒアレインSに限ったことではないですが、現在眼科の先生に定期的に診察を受けている方や何か目の病気で治療中の方などは自己判断で市販薬を使用するのではなく医師の指示に従うようにしましょう。

また現在治療中の病気などがなくても、症状が長く続いていて2週間程度薬を使用しても一向に改善が見られない場合も一度診察を受けた方が良いと思います。

目の違和感が他の病気の前兆となっている可能性も考えた方が良いですし、病院では症状が重い方用のより有効成分の濃度が高い薬、違う作用で目の乾きを抑える薬など選択肢が多く、より症状に合った薬を選択することが可能になります。

一般的に安全性の高い成分かと思いますので、そこまで過度に薬の副作用を心配する必要はないかと思います。
（私の感覚的な意見になるので、あまり正確ではないかもしれませんが、よっぽど風邪薬・鎮痛剤などの飲み薬の方が副作用の頻度が高い気がします。）