消毒用エタノールと消毒用エタノールIPの違いと使い分けについて

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ほとんど同じような配合の消毒用エタノール製品の違い

健栄製薬などから販売されている消毒用エタノールと消毒用エタノールIPですが、名前がよく似ていて用途も近いのに価格にかなり差があります。

今はコロナの影響で商品が十分に入っていなくて両方同時に比較するのが難しいかもしれませんが、日常ドラッグストアなどで消毒用エタノールを探していて、この2つを両方見つけた方はどう違うか疑問に思うと思います。

私もドラッグストアや薬局で働いていたころ、数回お客様から問い合わせを受けたことがあります。
その時は私なりに理解していた違いを説明していたのですが、今回健栄製薬の方から話を聞く機会がありより詳細な情報を知ることができたのでご紹介します。

消毒用エタノールIPが安いのは酒税がかからないから

消毒用エタノールIPは消毒用エタノールと異なりイソプロパノールという成分を含有しています。
(消毒用エタノールIPの「IP」はイソプロパノールのことです。)

イソプロパノールはエタノールやメタノールと同じアルコールの一種ですが、エタノールと違って飲むことができない成分です。

これを含有することで消毒用エタノールIPは酒税がかからなくなるため、イソプロパノールを含有する消毒用エタノールIPは価格が安くなります。
成分的に精製度が低いとか材料が安いとかそういう違いではないようです。

消毒用エタノールと消毒用エタノールIPの用途の違いについて

消毒用エタノールと消毒用エタノールIPはいずれも手指消毒、冷蔵庫・キッチンなどの清掃については同様に使えます。

まな板など食品が直接触る部分の消毒はどちらが良いか長年疑問に思っていたのですが、直接摂取しなければイソプロパノールはすぐに蒸発してなくなるので気にせず消毒用エタノールIPを使用すれば良いようです。

また、同様の理由で糖尿病などの病気にかかっていて、注射を自分で行う方が使用する針などの消毒についても消毒用エタノールIPを使用して問題ないとのことです。

イソプロパノールは毒性があり飲用できないという風に書かれていますが、多量に摂取しないと毒性を生じることはないことも食品を扱う場所や医療機器に使用しても良い理由になると思います。
健栄製薬のホームページに記載されている情報だと人における最低の中毒量は体重1キログラムあたり223mgの経口摂取でした。

直接大量に飲み込むとか極端なことがない限りイソプロパノールで体を壊すことはなさそうなので過度な心配は不要ですが、イソプロパノールが含まれていることに抵抗ある人は多少高くなることが許容できるなら消毒用エタノールを使用してももちろん問題ありません。

一応軽度の傷口については消毒用エタノールのみが適応があり消毒用エタノールIPは適応がないですが、そもそもアルコールは傷口に使用するとしみますし、大きな傷口には両方とも使用できないので消毒用エタノールと消毒用エタノールIPの違いを感じるような使用方法はあまりないと思います。

要するに「イソプロパノールというエタノールよりも若干毒性のある飲めないものが少量含まれていること」を気にするかどうかだけの判断ですね。

私は小さい子供や認知症の方、アルコール依存症の方が近くにいなくてイソプロパノールを間違えて飲むこともないと思いますので、消毒には消毒用エタノールIPを使用することにします。

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機械の掃除などは以前にもこちらでおすすめしていますが水が入っていない無水エタノールがおすすめです。

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