痔はつい対処が遅れがち
痔は人に相談しにくく、対応が遅れがちな病気の一つです。
今回はなるべく人に相談せずに治したいという方のために、痔の症状と市販薬で対応できるかどうかの目安についての情報をお伝えします。
また、市販薬で対応できる症状については、おすすめの市販薬をご紹介します。
痔とは
肛門や肛門周囲に起こる疾患を指します。肛門周辺の血流が悪くなるのが大きな原因とされていて、二足歩行のヒト特有の病気です。
痔の代表的な分類では痔核(いぼ痔)・裂肛(切れ痔)・痔瘻(じろう)の3つがあります。
痔はかかる頻度が高く、日本人の3人に1人は上記のうちのいずれかの痔で悩んでいると言われています。
以下にそれぞれの痔について詳細をお伝えします。
①痔核(いぼ痔)
痔核は内側にできるか、外側にできるかで内痔核、外痔核の2つに分類されます。
内痔核は痛みがあまりなく、外痔核は痛むことが多いと言われています。
症状が軽い場合は市販薬がよく効きます。
中痔核の場合は坐薬を用い、外痔核に塗る場合は軟膏が使いやすいです。CMでもおなじみの中と外の両方使える注入軟膏もあります。
また小林製薬から発売された飲み薬もいぼ痔に効果が出るので、興味がある方は試してみてもよいと思います。
痛み・出血がひどかったり、赤黒い血が出た場合は市販薬では対応できないこともあります。
②裂肛(切れ痔)
便秘などで固い弁を無理に出そうとして切れたり、慢性的な下痢による炎症で起こります。
切れ痔は排便時に痛みと出血を伴うことが多いです。
便通を整えるのが症状を抑えるのに役立ちます。
普段から便秘、下痢がひどい場合は食べ物、生活習慣を見直すと症状が良くなることもあります。
市販の薬を使うのも効果的で、外に塗る軟膏タイプがおすすめです。
③痔瘻(じろう)
化膿して溜まった膿が、肛門以外の皮膚を破って流れ出るようになった状態を痔瘻と言います。
下痢やストレスが原因と言われ、肛門括約筋の力が強い男性に多い痔です。
ひどい場合は周囲の皮膚が腫れて痛みが出たり、熱が出たりします。
痔瘻は薬で治療できず、手術での治療になります。
肛門部以外に膿が出て下着が汚れる場合はすぐに病院で診察を受けましょう。
また膿は出ないが熱、お尻の痛みがあるときは肛門周囲膿瘍という状態ですが、こちらも病院での治療になります。
痔の市販薬の種類
薬の種類(形の違い)として、外用剤では軟膏、坐薬、注入軟膏があります。
症状のある場所によって使い分けするのが特徴で、軟膏は肛門の外、坐薬は肛門の中、注入軟膏はどちらにも使用できます。
痔の薬での治療として、まずはステロイドの入っている軟膏、坐薬などの外用剤を使うのが一般的だと思います。
ボラギノール、プリザエースなどが有名ですが、どちらも入っている成分は大きく差がありません。
どちらでも構わないので、値段と使いやすさで選ぶとよいと思います。
またドラッグストアが独自に出している商品も配合はほぼ変わらないので、ブランドにはこだわりがないという方はおすすめです。
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また、飲み薬としては乙字湯、内服ボラギノールEP・ヘモリンド舌下錠などがあります。
どうしても塗り薬や坐薬の外用剤が嫌だという場合や、より高い効果を出したい場合に飲み薬と外用剤を併用する方法などがあります。
いずれの薬も肛門周囲の血流を改善し、痔の原因となるうっ血を改善する効果が期待できます。
ヘモリンド舌下錠は小林製薬から発売された新商品で、いぼ痔の治療に特化した商品です。
症状がひどい急性期の時と、通常の時、慢性化した時のそれぞれに対応できるように用法が定められている薬です。
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痔の市販薬を使用する上での注意点
痔は症状が進むと手術が必要になる病気です。
市販薬をある程度使っても効果が出ない場合は早めに病院の診察を受けましょう。
薬によっても異なりますが大体10日くらい市販薬の使用の目安と言われています。
また痔は生活習慣、便通などがかなり影響する病気です。
風呂に入って体を温める、お通じに良いものを食べる、ストレスを溜めず規則正しく生活することなどを心がけましょう。
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