症状・体質別の便秘薬のおすすめ

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便秘薬はよく使われているが実は注意が必要

便秘は多くの方(特に女性)が困っている症状の一つで、便秘薬はドラッグストアなどでもよく売れる商品の一つです。

価格が安くて大容量の商品も数多く販売されていて、飲みなれている方からは好評だったりしますが、本来便秘薬は服用するにあたって注意することが多く、誤った飲み方を続けると体によくない場合もあります。

薬剤師としての本音では値段よりも症状と体質に合った薬を選んでいただきたいところなので、今回は便秘薬の種類と選び方についてお伝えします。

便秘薬の成分と特徴

市販の便秘薬に含まれている成分は大きく分けて6種類になります。
各成分の名前と特徴は以下のようになります。

①センノシド(センナ・センナ末)

医療用ではよく使われる便秘薬の成分です。
センナ・センナ末は生薬で、中に含まれる有効成分がセンノシドになります。

私が調べた限り、市販薬でセンナ・センナ末は販売されていますが、センノシドが単独で使われている便秘薬はないようです。

もしかしたら効果が高い代わりに、お腹に対する負担が大きいことが影響しているのかもしれません。
センナは市販薬では新ウィズワンなどに含まれています。

②大黄(ダイオウ)

漢方便秘薬の中に含まれる有効成分で、大腸に刺激を与えて便秘を解消する効果があります。

漢方と効くと穏やかにゆっくり効くイメージかもしれませんが、かなり即効性が高く、他の便秘薬成分と同様に慣れていない人は気持ち悪くなったりお腹が痛くなったりすることがあります。

タケダ漢方便秘薬などに含まれています。

③ビサコジル

コーラック・コーラックⅡ、ビューラックなどの有効成分がこちらです。

メジャーな便秘薬のラインナップには大体この成分が含まれていて、おそらく市販の便秘薬の中では最もよく使われています。

①②の分類の便秘薬と同じく効果が高くて即効性があるのですが、腸を刺激するタイプなのでお腹が痛くなったり、気持ち悪くなったりすることがあります。

④ピコスルファートナトリウム

①②③と同じく大腸刺激性の成分が含まれていますが、比較的お腹に対する負担が少ない成分になります。

医療用では内滴剤として微量の調整ができるようにして小さいお子様でも服用できるようになっていますが、市販の薬は錠剤のみで11歳以上または15歳以上の方用のみになります。

ピコスルファートナトリウムを含む11歳以上から飲める医薬品としてはビオフェルミンの便秘薬があります。

15歳以上の方用の医薬品はピコラックス(佐藤製薬)、ビューラックソフト(皇漢堂薬品)という商品に含まれています。
ピコスルファートナトリウムの1錠あたりの量はビオフェルミン便秘薬よりも多いので少し安くなると思います。
(最大量は同じなので、効果に関しては差がないと思います。むしろ乳酸菌が含まれている分ビオフェルミン便秘薬の方が効果が高い可能性があります。)

⑤酸化マグネシウム

大腸で水分の吸収を抑え、便に水分を持たせることで柔らかくする効果のある成分です。
吸収されて効果を発揮する他の便秘薬に比べて比較的安全性に高い成分になります。

よく使われる商品は3Aマグネシア(フジックス)やスルーラックデルジェンヌ(エスエス製薬)などがあります。

⑥麻子仁丸・麻子仁

高齢の方の便秘でよく使われる便秘薬で、体に潤いが不足しがちで体力があまりない方に効果が高い漢方薬です。

麻子仁丸は複数の生薬が含まれている漢方薬で、中には②の大黄も含まれていますが、含有量が少ないため効果は穏やかに出てきます。

麻子仁は麻子仁丸の中に含まれているメインの成分で、オイルで便の滑りを良くして便通を整える効果があります。
市販の薬では他の成分と組み合わせてオイルデルという商品名で販売されています。

体質別便秘薬の使い分けと注意点

①頑固な便秘に

頑固な便秘には高い効果が出るビサコジルを含む便秘薬が良いと思います。

コーラックやビューラックがよく使われていて、価格も安いのでおすすめです。

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これらの薬は効果が高い代わりにお腹が痛くなったり、気持ち悪くなりやすいので、これらの症状がひどい場合は他の薬に切り替えましょう。

また他の便秘薬でも共通ですが、長期間使うとクセになり、効果が出にくくなることがあるようです。
便秘薬だけに頼らないように注意しましょう。

②初めて服用される方に

便秘薬を初めて服用される方にはまず酸化マグネシウムの入った3Aマグネシアをおすすめします。
お腹に負担がかかりにくく、クセになりにくいのが大きなメリットです。

便秘に対する効果はそこまで高くないですが、服用量が幅広く設定されているので調節しやすいのも特徴です。

特に体調変化がなければある程度の期間使用していても問題ないことが多い薬ですが、まれに副作用が起こることがあります。
もし薬を服用していて、体がだるい、ぼーっとするなどの症状が出た場合副作用の可能性があります。
頻度は低いですが症状が急にひどくなることもあるようなので、気になるようならすぐに診察を受けてください。

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③すぐにお腹が痛くなる方に

初めて飲む方と同様にまずは酸化マグネシウムをおすすめします。

酸化マグネシウムで十分に効果が出ない方はピコスルファートの入ったピコラックスやビューラックソフトを試していただくとよいと思います。

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④もともと水分摂取が少なく、肌が乾燥しがちな方に

酸化マグネシウムでもよいのですが、体が乾燥しがちな方、あまり水分を補給する習慣がない方はオイルデルをためしていただくとより高い効果が出る可能性があります。
体質が当てはまる方は一度試してみてください。

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便秘におけるその他の注意事項について

①便秘薬には副作用があります。

確率は低いかもしれませんが便秘薬を飲んでいると副作用が出ることがあります。
薬を使っていて何か気になる症状が出た場合はすぐにご相談ください。

②自己判断で長期連用しない

便秘薬は長期的に服用すると副作用が出やすかったり、薬の効果が低くなったりすることがあります。
便秘の症状が長く続いているときは病院で相談しましょう。

③食事・運動に気を付けましょう。

水分補給や食事の内容・運動で便秘の状態はかなり改善されます。
ひどくなる前に、整腸剤を使用する方法もありますし、サプリメントなどで栄養素を補う方法もあります。

健康食品の食物繊維や野菜サプリメント・オリゴ糖などは手軽に飲むことができ、便秘の原因を取り除くのに役立ちます。
便秘薬に頼りすぎずに日頃の習慣に気を付けましょう。

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